おおかみ司書の被害妄想


みなさん御存知だと思うけれどディ・フランチェスコさんが解任されました。別に監督が解任されることは珍しいことではなく、特にローマなんかはこれまで大体2シーズン経過する前に監督が解任されてきました。だから、ディ・フランチェスコさんの解任は通常のサイクルとも言えるのだけれど、それでも彼がローマを去ることは悲しいです。私はディ・フランチェスコさんがローマに来た時、あの世界的なスポーツ・ダイレクターのモンチさんが自ら選んだ監督ということできっと何年かしたらモンチさんがエメリさんと共にセビージャで成し遂げたようなことをローマも成し遂げているのだろうなワクワクしました。実際、彼の1年目は解任危機もあったけれど、リーグ戦3位、UCLでベスト4に進出という素晴らしい成績を収め、その方向に向かって突き進んでいるように見えました。そして今季ディ・フランチェスコさんとモンチさんは長期的な視野に立ってチームを刷新しました。アリソン、ナインゴラン、ストロートマンといったチームの主力中の主力が放出されたときはとても悲しかったし、こんなに主力を放出して苦しいシーズンにならないかなと不安を覚えました。蓋を開けると不安は的中し、そこには好不調の波が激しいシーズンが待っていました。けれど私は中々安定はしないけれど、ロレンツォ・ペッレグリーニの才能開花、ザニオーロの大ブレイク等、モンチさんとディ・フランチェスコさんが長期的な視野に立って蒔いた種が早くも芽吹きだしたように見えてとても嬉しかったのです。その矢先です。ディ・フランチェスコさんが解任されてしまったのは。まだチームは来季のUCL出場権が狙える位置につけていて今季のUCLでも決勝トーナメントに進出したのにです。私は前述の通りこれだけ主力を放出したら苦しいシーズンになるではと思っていたので現在の成績は及第点だと思っています。素人の私が苦しいシーズンになると思っていたのだから当然プロであるローマ経営陣もそういう想定はしていたはずです。また若手主体に切り替えて長期的に強いチームを目指していくといったような発言を最近パロッタ会長がしていたのでローマ経営陣が長期的な視野でチーム作りをしていくことに同意していたことが伺えます。サッカーにおいてこの長期とは一体どれくらいの期間を指すのでしょう?人によって3シーズンであったり、5シーズンであったりすると思うけれど、少なくとも1シーズン未満だと思う人はいないと思います。ローマが本格的に長期的な視野に立ってチーム作りを始めたのは今シーズンからです。なのに解任。苦しいシーズンも想定できていたはず。なのに解任。少しおかしくないでしょうか?仮に即戦力のビッグ・ネームをたくさん獲得してのこの成績なら解任されても仕方ないかもしれません。でもローマは違います。若手主体のチームなのです。時間をかけて強くなっていくチームなのです。このタイミングでディ・フランチェスさんが解任されたということはそもそもローマが長期的な視野に立ってチーム作りをしているというのが私の勘違いであるか、私の思っている長期とローマの思っている長期の意味が違うということだと思います。どうやらモンチさんもディ・フランチェスコさんの後を追ってローマを去ることが濃厚で、ローマ経営陣も別にそれを引き留めもしないようだからおそらく前者なのでしょう。多少意味が違ったとしても長期とつくならこのタイミングで監督だけならいざしらずSDも手放して白紙にするなんてことはしないと思うので。では長期的なチーム作りをしていないとしたら若手主体のチームを作る理由はなんでしょう?私が思い浮かんだ理由は悲しいけれど一つしかありませんでした。それは若手選手のほうが高く売れてお金儲けがしやすいというものです。別に私はお金儲けが悪いことだとは思いません。けれどそうならそうで格好をつけて長期的に強いチームを作るなどとファンに夢見させるようなことは言わず、毎シーズン何名か主力を売ってお金儲けはするけれど求める成績のハードルは高めなので宜しくお願いしますと素直に言ってほしいのです。パロッタ会長は暗に否定しているけれど、おそらく近いうちにウンデル、ザニオーロ、ロレンツォ・ペッレグリーニらは売られるでしょう。そしてその際は最初に述べていたことを有耶無耶にしていきながら、ありがとうやこれまでの貢献に感謝等と綺麗な言葉を並べてさも美しい別れのように演出していくのです。今回のディ・フランチェスコさんのように。たとえディ・フランチェスコさんが今シーズンチームを軌道に乗せることができなかったことが事実だとしても、彼があのモンチさんに選ばれ、ローマをUCLベスト4へ導き、選手達から慕われ、ウンデル、ロレンツォ・ペッレグリーニ、ザニオーロの才能を開花させた功績は変わりません。だから彼が素晴らしい監督であったこともまた事実だと思います。その素晴らしい監督をあっさりと切り捨て(おそらくモンチさんも)、ローマはまた新たなる冒険を始めようとしています。おそらく今度の冒険のお相手はラニエリさんになり、シーズン終了後にはまた新しいお相手と別の冒険になるでしょう。そうやってローマは今まで進んできたしこれからもそうなのです。素晴らしい。次々と相手を変え、美しい別れを演出し、利益とそこそこの成績を残していく、実に素晴らしい。タイトルとは無縁の「中堅クラブ」たるものかくあるべしといった感じなのです。どうか神様、次はディ・フランチェスコさんが「ビッグ・クラブ」で指揮を執れますに。



※上で記したことはディ・フランチェスコさんとの別れの悲しさのあまり私、おおかみ司書が生んだただの被害妄想です。実際のローマとはかけ離れたことが書いてあるはずなので真に受けないで下さい。早く被害妄想から抜け出さなければ。これ私の被害妄想だよね?ローマ?

コメント

  1. ロマニスタ2019年3月8日 20:45

    おおかみ司書さんの妄想に完全同意です。明確な言葉にしていただきありがとうございます。なんでこんなことになるのか、私には理解できません。サラーに始まりアリソン、ナインゴラン、ストロートマンを失い、その上で築こうとしていた新しいローマの土台をまた慌てて崩して、その先に何を望むんでしょうか。グッドラックEDF!なんて言葉はとても今は言えない。仮に今季、リーグ4位に滑り込めたとして、その後はまたスーパーマーケットなんでしょうか。そうならないための、本当のビッグクラブになるための今季までの犠牲ではなかったのでしょうか?そんなローマの展望を信じナインゴランたちとの別れを耐え忍んだのに、こちらの勝手な期待だったのでしょうか?
    本当にどうしたらいいのかわからず、ただ悲しいです。

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    1. ロマニスタさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

      私の妄想に共感してくれたようでありがとうございます。ロマニスタさんの書かれているお気持ち痛いほど分かります。私もただただ、悲しいです。今はこの悲しみに浸ることしかできないけれど、何時の日かナインゴランたちやディ・フランチェスコさんたちとの別れを耐え忍んだ甲斐があった思えるような日が来て欲しいです。

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  2. おおかみ司書さんこんばんは。
    さて、モンチさんもいなくなってしまったわけですが。

    うーん……。まあ、もちろん長期的な計画に基づいてチーム作りをしていたとはいえ、戦力的には5位ではいけないチームだとは思うのですよね。
    そしてポルトに戦力で劣っていたとは思わないし、もちろん絶対に勝てるほど戦力差があったとも思わないですが、そこで負けてしまったのだからディ・フランチェスコさんが責任を問われるのは理解はできます。
    それでも個人的には続けてほしかったので残念なのはもちろんなのですが。

    僕としてはそこまでパロッタ会長に疑いを持っているわけではないです。
    去年のサラーやリュディガーの放出は財政的に仕方ない事ですし、今年のナインゴランも理由があるし、アリソンもあそこまでの値段がつけば仕方ないのかな、と思っています。ストロートマンは売らなくても良かったんじゃないかと思っていますが……。
    まあマルセイユで大活躍しているわけでもないので、商売、戦力的には成功だったのかもしれませんけれども、ロマニスタ的には失敗だったと思っています。
    なので今後も不必要に選手を売るような事はないと信じています。

    モンチさんがいなくなってしまったのは非常に残念です。
    獲得が内定していると言われていたマンチーニなんかの交渉も駄目になってしまうのではないかととても心配です。
    でもマッサーラさんやトッティが代わりになるのであればその人がモンチさん以上の仕事をしてくれると信じるだけです。

    基本的に僕は何でも信じるようにしているので、決まってしまえばそれがローマにとって良い道なのだと信じて応援するだけですね。
    多分それが精神的に一番楽だと思います。(笑)

    長文失礼しました。

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    1. にょろろさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

      モンチさんもあっという間にいなくなってしまいましたね。監督もモンチさんもいなくなってしまったのだから確かにマンチーニの話も流れてしまう可能性がありそうですね。ラニエリさんは今シーズン限りの監督みたいだし、来季の監督次第でマンチーニだけでなくチームの陣容が大幅に変わる可能性もあるかもしねませんね。どうしよう、ますます悲しくなってきちゃった。

      にょろろさんの「基本的に僕は何でも信じるようにしているので」というお言葉とても素敵です。ディ・フランチェスコさんの解任や選手の放出に関してのにょろろさんの捉え方にもローマを信じようとする気持ちが感じられる気がします。ファンの鑑だと思います。今の私は悲しみに苛まれてまだ信じようという気持ちが湧いてこないけれど、にょろろさんのような信じる気持ちを手に入れて、できるだけ早く精神的に一番楽な状態になりたいです。(笑)

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  3. ローマ好き2019年3月19日 15:24

    若手主体で長期的計画のもと
    段階的に常勝クラブへ
    と言う理想で始まった
    モンチ⇒EDF体制では有りましたが
    やはり中心的(屋台骨)選手らを
    ゴッソリと放出した事は
    余りに段階を踏むのに慎重さを欠いた
    判断だったように思いますし
    本来それらに代わる選手の獲得にも決して成功したようには思えません
    また若手をと言う割にはそうでも無い補強も散見され
    それらが不良債権化している状況にも疑問を感じていました

    ですので勿論協議の上での獲得作業だとは思いますが
    私はEDFより編成補強を任されていたモンチさんに大きな責任が有ると感じていました
    ので、モンチそんには去って頂くにしても
    EDFにはせめて今季一杯までは指揮を
    任せても良かったと思いましたし
    サポート(編成強化担当)をトッティとし
    停滞した歯車を改めて動かす事も
    一つの方策では無かったかとも思いました

    今後は色々な物を更に失ってしまう可能性も有りますが
    放出すべき選手は放出し本気で若手主体の
    将来に夢膨らむような体制を改めて見せて欲しいと思います

    中途半端が一番危険で有り何も築けない
    私は何事にもそう思う主義なので
    クラブには本気のchallengeを期待しています

    返信削除
    返信
    1. ローマ好きさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

      >やはり中心的(屋台骨)選手らを
      ゴッソリと放出した事は
      余りに段階を踏むのに慎重さを欠いた
      判断だったように思います.

      今にして思えば、私ももうちょっと段階を踏めばよかったのかなと思います。こんなに主力を放出して大丈夫かなと皆に懸念させつつ、新加入選手が大活躍して流石モンチさん、普通の人とは一味違うといった感じの展開なら最高だったのだけれど、そうはならなかったですものね。悲しいな。

      EDFさんに今季一杯まで指揮を取らせて上げてサポートをトッティにというのは面白い案なのです。実際問題どれだけサポートになるかは分からないけれど、そうなっていたら少なくとファンが感じていた停滞感は薄れていたと思います。そうなっていたら面白かったのに・・・。

      >中途半端が一番危険で有り何も築けない
      私は何事にもそう思う主義なので

      中途半端に終わってしまってはそれが正しかったのか間違っていたのか判断もでき難いと思うし最期までやりきって初めて正確にそれが正しかったのか間違っていたのか判断できると思うのでローマにもローマ好きさんの主義を真似して欲しいです。

      削除
  4. ファンの心理としては理解できるけど、オオカミ司書さんの被害妄想はちょっとキレイ事ばかりかな。エウゼビオはナインゴランをそもそも規律面からどうかと思っていたし、ストロートマンは怪我以降明らかに以前の姿ではなかった。シーズン開始前は、若手ばかり補強して、経験不足で並のメンタルばかりの集団に僕はそれでも彼らの居場所があると思っていた。モンチはSDとして彼らを売ることを決断した。それはさして、おかしいことではないと思う。現場を僕たちは知らないから、モンチが売ると決めたのなら彼なりの理由もあっただろうし。エウゼビオもそれに同意してた。

    それで結果的に失敗した。
    実力を証明済みだったはずのパストーレは話にならない出来で、ストロートマンとナインゴランが抜けた中盤は覇気が足りない。今季のファシオのひどい出来で失点が多すぎる。オルセンも並にがんばっているとは思うが、ちょっとフィルターがひどすぎる。コラロフも今季は普通の選手になっている。その上、彼個人のミスも初年度の緊張からか、多い。当たったのはザニオーロだけで、クライフェルトはシャイな性格も相まって適応に時間がかかってる。シックはまぁ並かな。救世主にはなれてないけど、みんなが彼の才能にまだ惚れてると思う。エウゼビオは彼を使いこなせなかった。


    今季は若手の成長過程だからCLを逃してもいい?逃したら更に弱体化するのですよ?そんなことしたら、十中八九マノラスいなくなってしまうよ?正直、彼がローマにまだいるのがすごいことだよ?モンチとエウゼビオが描いていた図は明らかに機能していなかったのですよ。エンゾンジもうまくいってない。エウゼビオは頑張っていたと思う。だけど、彼のサッカーは少なくとも今季はうまくいかなかったろう。11月からエウゼビオのサッカーは機能していなかった。シーズン最初はウンデルのおかげで勝ててた。そして次はザニオーロのおかげ。ほんのちょっぴりペレグリーニ。

    彼ら以外にも調子のいい選手はいた。ファラオーロはずっと調子いい。シックも夏は結構よかった。ジェコは調子がいまいちあがらない。クリスタンテは結構使える。でも、ベストメンバーか本当に調子のいいやつがいないと勝てなかった。それじゃだめなんだよ。

    不調のファシオの代役補強に動かなかった冬 マーケット。高すぎたシックという買い物。怪我していたカルスドルプの獲得。高いくせに全く使えないパストーレという買い物。ディフェンスの補強に動かなかった冬。

    ジェコ、ウンデル、デ・ロッシが怪我をし、去年輝いていたペロッティが不在。修正できないディフェンス。調子いい個がいないと勝てない試合ばかり。


    苦難続きで来季以降に希望が持てないコンビ(モンチとエウゼビオ)でしたよ。目先の4位にたどり着くにはエウゼビオではできなかった。モンチは限られた予算でいい補強と売却をしたと思うけど、十分じゃなかった。


    ただ、うまく行かなかった結果、事態をかえるにはエウゼビオを切るべきだったと思う。モンチがやめたのも自然の成り行き。ただ、みんな頑張ったけどうまくいかなかっただけさ。今でも俺はナインゴランを残して、デ・ロッシの稼働率が今季も高ければ、ミランやインテルよりは上にいたと思ってる。ファシオの不調はデ・ロッシの不在も大きい。正直エウゼビオのほうがリーノよりもいい監督だと思うし、スパレッティのグループは結局は自壊する。メンツもミラノ勢よりローマのほうが揃ってると思う。俺はケシエがローマにいたらと何度思ったことか。エンゾンジよりも俺はケシエだな。正直、ユーベとアンチェロッティのナポリにはかなわんよ。今季のローマはCLに値しないよ、正直。それでも、俺は今のローマが化けるところが見たいんだ。エウゼビオでは無理だったろうな。

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  5. tick tackさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

    tick tackさんはモンチさんもディ・フランチェスコさんも頑張ってくれていたとは思うけれど、UCLを逃がせばマノラスもいなくなってしまうだろうし、結果が出なかった以上ディ・フランチェスコさんの解任も致し方ない。このまま続投したとしても伸びしろを感じなかったしという考えなのですね。私としてはディ・フランチェスコさんが解任されて日も経ち気持ちも落ち着いてきたので今は、もう居なくなってしまったのだから、せめてラニエリさんにUCL出場権を獲得してもらって、ディ・フランチェスコさんの解任も仕方なかったことなんだと思える結末を迎えて欲しいと思っています。

    ケシエはローマ行きの噂もあっただけにミランに行ってしまったのは残念ですね。

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