セリエA第35節 ローマ vs フィオレンティーナ


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試合の感想

何事にも異論はつきものです。

同じものを見て右と言う人もいれば、左と言う人もいます。

異論がないなんてことはあり得ません。

人類誕生以降、おそらくそれはずっと続いています。

だからこそいまだに争いは尽きません。

それは悲しいことだけれど、悪いことばかりではありません。

異論の数だけ可能性は広がります。

可能性が広がれば、選択肢が増え多様性が生まれます。

多様性こそが進化の鍵であり、進化は生物が、人類が生存していく上で必要不可欠だからです。

つまり異論が人類の生存を支えてきたわけです。

そこにスヴィラルが現れました。

今宵のローマはインテル戦の勝利の勢いのまま試合に入り、主導権を握りました。

私は大量得点を予感したのだけれど、主導権を握っただけで、シュートまではなかなかいけず。

そうこうしている内にフィオレンティーナが盛り返してきました。

ローマ・ファン達にえらくブーイングを浴びせられいる選手がいるなと思ったら、それは一悶着あったザニオーロで、ローマはコネを中心にきっちりザニオーロは抑え込みました。

しかし、今季好調のモイゼ・ケーンは全く抑え込めず。

ケーンはやりたい放題の無双状態に。

それでローマはどうしたか?

スヴィラルに丸投げです。 

びっくりするほどスヴィラル頼み。

今宵のスヴィラルはいつにも増して人間離れしており、失点しなかったのが不思議なくらいです。

デ・ヘアもすごかったけれど、スヴィラルを前にしては霞んでしまいます。

そして彼はこの試合のPanini Player of the matchを受賞しました。


この受賞に異論を唱える者はいないでしょう。 

ん?異論を唱える者はいない?

異論がない?

スヴィラル人類にとどめ刺しにきてる!?

そう、確かに彼は人間離れしてました!

きっと生き仏やエイリアンの類なのです。

スヴィラルさては貴様、人類の敵対勢力だな?

きゃあ、どうしましょう?

このままだと人類は進化を止められ、やがて滅亡してしまうのです!

これはいけない!

なんとかしなきゃ、なんとかしなきゃ!

でも彼をなんとかしたら、ローマが試合に負けてしまいます!

それも困る!

・・・

・・

まぁ、いっか。

かの福沢諭吉さんも天はローマの上に人を作らず、人の下にローマを作らずと言えりと書いてらっしゃいましたし。

人類の滅亡かローマの勝利どちらが大事なんて比べるまでもありません。

ローマの勝利のためならば、人類など滅んでしまえば良いのだ。

こうして私は人知れず、人類滅亡を選んでしまいました。

みなさん、ごめんなさい。

みなさんは滅亡します。

ローマの勝利を見届けて、滅亡します。

どうぞ、お好きに石を投げてください。

その覚悟はできております。

しかし私にだけ石を投げるのはおやめください。

人類を裏切ったのは私だけではないのですから。

どうぞ、ドヴブィクにもお投げになって。

そう、そうなのです。

いくらスヴィラルが凄くとも彼一人の力では引き分けがせいぜい。

ローマの勝利のためには点をとる協力者がいるのです!

私、おかしいと思ってたんだよね、なんでリーガ得点王がローマなんかにこにゃいかんのかと。

期待外れと批判されることが多いから、この人全然点とってないかと思ったら……。

先生、ドヴブィク君こっそり17点もとってました。

裏切りを批判で隠そうとするだなんて、私でなきゃ見逃しちゃうね。

こうして私はドヴブィクと共にスヴィラルのシンパとなったのでありました。

ふはははは、人類よローマのために滅亡するが良い!

しかし、余は寛大だ。

人類にもチャンスをやろう。

余に愛、お金、永遠の命!

いずれか一つでも捧げるのなら、余は再び人類側に戻ってやろうではないか。

返答はアタランタ戦までに頼むぞ。

選択の時が人知れず始まった。

しかし私はまだ気づいていなかった。

この選択こそが異論を生んでしまうことに……。

次回、おおかみ司書人類からもスヴィラルからも総好かんを食う。

お楽しみに!


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