おまえの舌は何枚あるんだ、このやろう!

 

インテルはローマからエディン・ジェコを完全移籍で獲得したことを公式発表(ローマ側の公式発表はこちら)しました。契約は2023年6月30日までとのことです。またディ・マルツィオさんによるとローマはインテルがUCLの出場権を得る場合、150万ユーロのボーナスを受け取るとのことです。


ジェコは8月11日にはローマの空港を出発し、インテルとのメディカル・チェック等を済ましていたのだけれど公式発表が遅れていました。 

ローマのチャンピーノ空港到着時の様子

ミラノ到着時の様子 

メディカル・チェックを終えアッピアーノ・ジェンティーレ(インテルの練習場がある場所)へ向かうジェコ


公式発表が遅れた理由はIl Tempoによるとローマはジェコに7月と8月初旬の給与を放棄するよう求め、ジェコはこれを聞き契約書への署名の瞬間に手を止めた。またLa Gazzetta dello Sportは7月分(40万ユーロ未満)の給与の支払いを巡って争っているとし、ローマとしては2年契約を提示する好みのクラブが出てきたら、合意して良いという古い紳士協定を守り、そのおかげで彼は実質的にフリー・エージェントでインテルへ移籍したので、もう十分なことをしたと感じていて、ピントさんは6年間お世話してきたクラブへの感謝の形としても彼の責任ある振る舞いを求める。などと言われていました。そしてディ・マルツィオさんによると、インテルとの書類達が完成したら、ジェコの側近にローマから7月と8月の最初の10日間の給与を放棄することを受け入れることで、ある種の免除にサインするように求めるメールが届いた。ジェコはこれが取り決められていなかったことと、彼のローマでの年俸が750万ユーロであることを踏まえると、40日間の給与を放棄することは些細なことではなかったので不快感を覚えた。そして今日になってジェコが7月と8月の最初の10日間の給与の半分(すなわちおよそ50万ユーロ、税込みで100万ユーロ)を放棄することに同意し状況が打破されたとのことです。

こんな事があって公式発表前にジェコがインテルの背番号9を纏って親善試合のディナモ・キエフ戦に出場し、ゴールを決めるという珍しい?こともありました。

ジェコのゴール・シーン


ということでジェコのインテル移籍が正式決定しました。

この決定を受けて私の脳裏ではある映画のワン・シーン


「破門したり取り消したり、おまえの舌は何枚あるんだ、このやろう!」

「あぁ?」

「何枚あるかってきいてんだよ!」

「そりゃ1枚」

「1枚だぁ?2枚も3枚も持ってんだろ。このやろう!」

「舌は1枚に決まってんだろうがよっ!」

「口開けてみろ、舌出せ!」


がリフレインしていました。

だってジェコ、7月25日のデブレツェンとの親善試合後に

「僕はジェコの話(メルカートの話)にうんざりする。僕はローマでのことだけ考えていてほかのことはまったく考えていない。」

と述べていたのだもの。

単純な私は

そっか、そうなんだ。ジェコ、ローマのことしか考えてないのね。フフフ。

と思っていました。

私は、そう思っていました。

そう、思っていたのに!

ジェコ、インテルのこと考えてた!

確かに本音と建前というものはあります。

人の言葉を信じる方が馬鹿なのかもしれません。

状況が変われば、考えが変わることもあります。

それはこれまで幾度となく移籍寸前までいきながら、ローマに残留してきたジェコ自身が証明してくれています。

でもそんなジェコだからこそ軽はずみな発言はしない。

故に彼の言葉には重みがある。

彼の言葉は信じるに値する。

私はそう考えていたのです。

それだけに私は今回の事にがっかりしました。

そしてそれはモウリーニョさんとローマも同じだったようです。

Il Romanistaによればクラブ(とジェコで非常に激怒した事が判明するモウリーニョさん)はジェコの回れ右を気に入らなかった。過去数週間で彼は監督と話をし、自身を自由に使わせ、ローマ経営陣とも話をし自身の残留願望を繰り返していた。それは僕はローマでのことだけ考えていてほかのことはまったく考えていないとう本人の発言で確認された願望だ。その後インテルのオファーがテーブルのカードを変え、彼はベティス戦の前夜に去りたいと告げるために姿を表したのだそうです。

言葉は人を形作ります。

何故なら人の心の内が分からない以上、周囲の人間は言葉で人を判断せざるを得ないからです。

私にとって、そしておそらくモウリーニョさんとローマにとって、貴方はローマ愛に溢れ、ローマのために尽くす覚悟がある人でした。

残念ながら貴方の言葉は本質からかけ離れた貴方を形作ってしまったようです。

本質からかけ離れると周囲の人間はがっかりしていまいます。

私は

6年間もの長い間ローマを支えてくれてありがとう。インテルでも頑張ってね。

という気持ちで貴方とお別れしたかったのです。

けれど貴方の言葉のせいでその気持ちにはなれそうもありません。

私はそれがとても悲しいです。

サラエヴォの白鳥の異名を持つ貴方が何故跡を濁してしまったのか。

立つ鳥跡を濁さずではなかったのか?

終わりよければ全て良し。

その言葉の尊さを私は今痛感しています。

私は今回の事にがっかりしました。

けれどそれはジェコにではありません。

言葉を紡いだジェコの舌にがっかりしたのです。

私は貴方の舌が憎い。

貴方の軽い舌が憎い。

黙秘することもお茶を濁すことも知らない舌が憎い。

それさえ知っていればこんなことにはならなかったはずなのに。

ジェコの紡いだ6年間の物語を台無しにした舌が憎い。

何枚あるか分からない舌が憎い。

憎くてたまらない。

言葉には責任が伴います。

この責任は取ってもらわねばなりません。

ジェコの舌に告ぐ。

「破門したり取り消したり、おまえの舌は何枚あるんだ、このやろう!」

「あぁ?」

「何枚あるかってきいてんだよ!」

「そりゃ1枚」

「1枚だぁ?2枚も3枚も持ってんだろ。このやろう!」

「舌は1枚に決まってんだろうがよっ!」

「口開けてみろ、舌出せ!」 

私が引っこ抜いてやる!!!


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