セリエA第9節 ナポリ対ローマ
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試合の感想
負けてしまいました。大きな期待と夢を抱いて観戦した大一番だったけれど、負けてしまいました。それも内容、結果共に完敗&マンチーニとヴェレトゥが筋肉トラブルでピッチを去るという私が考え得る最愛の一歩手前の負け方で。ちなみに私が考え得る最悪の負け方は選手登録のミスによる不戦敗です。
ローマは当初、相手のディフェンス・ラインの選手には自由にボールを持たせ、プレッシングにいくのはナポリの中盤の選手がボールを持ってから、という作戦に出ていたように見えたけれど、次第にゴール前まで相手にボールを自由に持たせ、ゴール前で何とか跳ね返すというような展開になったように思います。そしてゴール前で跳ね返したボールをローマが持ってもパスが繋がらず、すぐにまたナポリのボールになるという一方的な展開で、見ていて生きた心地がしなかったです。この試合でたぶん私の寿命は1ヶ月は縮まったと思います。そうこうしているうちにイバニェスがメルテンスを倒して得たペナルティ・エリアの左角付近のフリー・キックからメルテンスが素晴らしい直接ゴールを決め、ローマが失点しました。失点直後はローマも反発心を見せ、相手ディフェンス・ラインまで積極的にプレッシングをかけにいっていたのだけれど、それも長くは続かず・・・。後半なってからはフォンセカさんも交代策を駆使したり、システムを4-2-3-1に変更(たぶん)したりして何とかしようとしたのだけれど大きく流れが変わることもなく、成すすべなく、気付けば4-0で試合は終わってしまいました。
この日、あれほど強いと感じていたローマは影も形もありませんでした。かといってマラドーナさんの死去を受けて、ナポリが鬼気迫る勢いで試合に臨んでいたようにはまったく見えなかったので、私はきっとナポリの戦術が凄くてローマが手も足も出なかったのだろうなと思いました。けれどフォンセカさんは試合後に
#NapoliRoma フォンセカさん敗戦の弁
— AS ROMA電子報告 (@asroma_dempo) November 29, 2020
「我々はナポリの様なチームに立ち向かう為に必要な勇気と攻撃性なしにプレイした。我々は結果を受け入れ、過ちを修正する為に取り組まねばならない。」 https://t.co/yjYEtJ0pk0
や
伊スカイより。フォンセカ、ナポリ戦後コメント。略あり。
— Hiroaki Nakamura (@centrocampistak) November 30, 2020
「勇気と決意が不足」
「言い訳無用。違う結果を出すために何もしなかった」
「この前が世界最高でも、これで最低になるのでもない」
「ジェコの存在はプレーに影響せず。長期離脱を忘れてはダメ。ベストコンディションを取り戻さないと」
と述べているので、手も足も出なかったというよりは手も足も出さなかったというのが正解のようです。何故この大一番でローマは手も足も出さなかったのでしょうか?私は一所懸命に考えました。思い返してみると試合開始から10分くらいまではローマがボールを保持してペースを握っていました。でもその後前述のような防戦一方になってしまったような気がします。そして私はこの10分というのがポイントだと気付いたのです。この日の試合は前半10分に一度プレイが止まり、1分間マラドーナさんへ哀悼の意を示す為に拍手が送られたのです。ローマが防戦一方になったのはこの後からだったような気がします。なのでこの1分間の中断でローマの選手達はふと我に帰り
(あっ、そういえばマラドーナさんお亡くなりになられたんだった。ナポリの選手達に花を持たせてあげなくては。)
と思ってしまったのではないかと思います。如何に一流選手達といえども人の子なのです。人情に流されたとしまっても不思議ではなりません。こう考えると辻褄は合う気がします。
なので手も足も出さなかった理由は
マラドーナさんの死に由来する人情
に違いないと結論付けました。
人情・・・。ローマの選手達、優しい。優し過ぎです。大事な一戦で人情に流されてしまうのは正直プロとしては失格だと思います。けれど私はローマの選手達を責めようとは思いません。むしろ褒め称えてあげたい、褒めちぎってあげたいです。何故なら彼らは例えプロとし失格の烙印を押されようとも、人としてとても美しく大事な物を守ったのだと思うからです。そうか、だからこの日、あれほど強いと感じていたローマは影も形もなかったのですね。
フォンセカさんは試合後、Sky Sportに
マラドーナさんのためのナポリの夜はフォンセカさんのチームに影響しましたか?と問われ
いいや
と答えているけれど、ナポリへの敬意を欠くことになってしまうので本当のことは口が裂けても言えるはずがないのです。
私はこの日、ローマが今季のスクデットを獲ると確信しました。神様は人の行いを常に見ているのです。この日のローマの行いもきっと見ていることでしょう。例えプロとし失格の烙印を押されようとも、人としてとても美しく大事な物を守った彼らを神様は祝福してくださるはずです。故に、もはや何の心配も要りません。ローマの勝利は今日、約束されました。私は貴方達を誇りに思います。今季の分水嶺の一つといわれていたこの試合をローマは最高の形で終えてくれました。ローマの皆、ありがとう。そしてナポリの皆もありがとう、マラドーナさんもありがとう、貴方達にも神様の祝福があらんことを。
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