勝ち点15剥奪、ユーヴェのキャピタルゲイン事件まとめ

 

FIGC(イタリアサッカー連盟)控訴裁判所はクラブの過去の移籍取引に関する調査の結果、ユヴェントゥス(以下ユーヴェと記す)の現行のシーズンにおける勝ち点15の剥奪処分を科しました。

ユーヴェは選手の移籍による見せかけのキャピタルゲイン(売却益の水増し)によってバランス・シートを改竄したとして告発されていました。

ユーヴェはこの件に関して他の10のクラブ(サンプドーリア、プロ・ヴェルチェッリ、ジェノア、パルマ、ピーサ、エンポリ、ノヴァーラ、ペスカーラ、キエーヴォ・ヴェローナ、ナポリ)及びその幹部ら61人と共に≪選手の市場価値を算定するための客観的な基準を設定できない≫として2022年4月に一度無罪判決を受けていました。

しかしFIGC検察はその判決を不服とし、ユーヴェ、サンプドーリア、プロ・ヴェルチェッリ、ジェノア、パルマ、ピーサ、エンポリ、ノヴァーラ、ペスカーラの9クラブ及びその幹部ら52人を対象に控訴していました。

その控訴の結果、この度FIGC控訴裁判所はユーヴェを除く8クラブ及びその幹部らを無罪とした上で

ユーヴェに対し現行のシーズンにおける勝ち点15の剥奪処分(FIGC検察の求刑は勝ち点9の剥奪だった。)と以下のユーヴェの幹部らに対しFIGCの管轄内における一定期間の職務執行停止処分を科すと共にその処分をFIFAとUEFA管轄内にも適用するよう請求しました。

・ファビオ・パラティチ=30ヶ月職務執行停止処分(FIGC検察の求刑は20ヶ月と10日間)

・アンドレア・アニェッリ=24ヶ月職務執行停止処分(FIGC検察の求刑は16ヶ月)

・フェデリコ・ケルビーニ=16ヶ月職務執行停止処分(FIGC検察の求刑は10ヶ月と20日間)

※ここからFIGC検察の求刑は全員12ヶ月になります

・パヴェル・ネドヴェド=8ヶ月職務執行停止処分

・エンリコ・ヴェッラーノ=8ヶ月職務執行停止処分

・パオロ・ガリンベルティ=8ヶ月職務執行停止処分

・アッシア・グラッツィオーリ・ヴェルニエル=8ヶ月職務執行停止処分


なおFIGC控訴裁判所はこれらの判決理由を10日以内に公表し、ユーヴェはその公表から30日以内にCONI(イタリア・オリンピック委員会)仲裁裁判所に上告可能です。

そしてユーヴェは上告することを公表しました。

ちなみに仮に勝ち点15の剥奪が確定すると現在セリエAで3位のユーヴェは以下のようになります。

 

以上です。

追記

ユーヴェは選手の移籍による見せかけのキャピタルゲイン(売却益の水増し)、いわゆるメートド・パラティチ(パラティチ・メソッドを意味するイタリア語。当時のユーヴェのスポーツ・ダイレクターであるファビオ・パラティチさんから)により2019年から2021年の3年間でおよそ5000万ユーロを生み出したとされており、その対象とされる移籍オペレーションは以下の画像ある計42件になります。



判決理由が公表され、それに関する情報です。

このTweetの白地の画像にあるユーヴェだけが罰せられた理由は「その他のクラブは電話傍受され、メモやメールが存在しないため」という箇所、正しくはユーヴェだけが罰せられた理由は「その他のクラブは電話傍受されず、メモやメールが存在しないため」でした。

 


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