ローマ、17-18財務諸表を承認す


ローマの取締役会は10月5日に2018年度(2017年7月1日~2018年6月30日)の財務諸表及び連結財務諸表の草案を承認したことを発表しました。それによると

m=ミリオンユーロ

総収入は320.4m(3億2040万ユーロ)で前年度278.4m(2億7840万ユーロに比べ42m(4200万ユーロ)増加しました。

営業利益は250.867m(およそ2億5086万ユーロ)で前年度175.000m(1億7500万ユーロ)に比べ75.867m(およそ7586万ユーロ)増加しました。

最終的な収支は29.498m(およそ2949万ユーロ)の赤字で前年度42.048m(およそ4204万ユーロの赤字に比べ16.551m(およそ1655万ユーロ)の赤字削減となりました。



calcioefinanza.itによると役員報酬も明らかになっており役員に支払った額の総額は450万ユーロ。内取締役会及び監査役会メンバーに支払われた額は2,084m(およそ208万ユーロ)、モンチSD初めとする経営陣の頂点たちに支払われた総額は2,429m(およそ242万ユーロ)で最も役員報酬が高かったのはモンチさんとのことです。以下主なローマ経営陣の役員報酬。

ジェームス・パロッタ会長 なし

モンチSD 契約期間16-17~20-21シーズン+21-22シーズンのオプション付き。その内16-17シーズンは1.939.415m(およそ193万ユーロ)、17-18、18-19シーズンは1.015.000m(およそ101万ユーロ)、19-20、20-21シーズンは1.107.000m(およそ110万ユーロ)の年俸(固定給)、これに17-18シーズンから契約終了まで特定のスポーツ目標達成で起動する年間最大で1.454.000m(およそ145万ユーロ)のボーナスが付く。17-18シーズンにモンチさんに支払われた年俸は1,061m+227milaのボーナスの計1,288m(およそ128万ユーロ)

マウロ・バルディッソーニ取締役兼GD 年俸740mila+250milaのボーナスの計990mila(99万ユーロ)。しかしながら取締役としての報酬は受け取っておらず取締役会の出席手当ては年間25mila(2万5000ユーロ)。

ウンベルト・ガンディーニ元CEO(2018年9月27日に辞表提出、2018年10月1日付けで辞職) 年俸85万2000ユーロ

ちなみにトッティに関しては財務諸表関連の記事では言及されていなかったけれどLa Gazzetta dello Sportの財務諸表に関係ない記事によるとトッティに正式な役割はなく年俸はおよそ60万ユーロ。なお本人は現在のような立場ではなく副会長の座を望んでいたことが自叙伝にて明かされているとのことです。



laroma24.itによるとローマに加入した選手の獲得費用および代理人に支払われた手数料(おそらく買い戻しOP、移籍金の分割払い分、契約更新等の費用も含まれていると思われます)も明らかになった。

アリソン 獲得費用800万ユーロ 代理人手数料30万ユーロ 計830万ユーロ

アノチッチ 獲得費用15万ユーロ、代理人手数料25万ユーロ 計40万ユーロ

アントヌッチ 代理人手数料 25万ユーロ

ベスイエン 獲得費用14万ユーロ、代理人手数料13万ユーロ 計27万ユーロ

ビアンダ 獲得費用600万ユーロ、代理人手数料24万5000ユーロ、計624万5000ユーロ

カプラドッシ 獲得費用10万ユーロ、代理人手数料6万ユーロ、計16万ユーロ

ツェラル 獲得費用70万ユーロ、代理人手数料5万ユーロ、計750万ユーロ

ウンデル 獲得費用1425万ユーロ、代理人手数料135万ユーロ、計1560万ユーロ

コリー・シディ・ケバ 代理人手数料16万8000ユーロ

チョリッチ 獲得費用800万ユーロ、代理人手数料100万ユーロ、計900万ユーロ

コルル 獲得費用5万ユーロ、代理人手数料14万ユーロ、計19万ユーロ

ジェルソン 獲得費用1860万ユーロ、代理人手数料150万ユーロ、計2010万ユーロ

ゴナロン 獲得費用500万ユーロ、代理人手数料320万ユーロ 計820万ユーロ

カルスドルプ 獲得費用1600万ユーロ、代理人手数料60万ユーロ、計1660万ユーロ

クライフェルト 獲得費用1725万ユーロ 代理人手数料400万ユーロ 計2125万ユーロ

コラロフ 獲得費用526万3000ユーロ、代理人手数料30万ユーロ、計556万3000ユーロ

マノラス 獲得費用1500万ユーロ、代理人手数料160万ユーロ、計1660万ユーロ

マサング 代理人手数料45万7000ユーロ

ミランテ 獲得費用400万ユーロ、代理人手数料45万ユーロ、計445万ユーロ

ナニ 獲得費用29万8000ユーロ、代理人手数料106万3000ユーロ、計136万1000ユーロ

ヌラ 獲得費用250万ユーロ、代理人手数料7万5000ユーロ、計257万5000ユーロ

パストーレ 獲得費用2466万1000ユーロ、代理人手数料100万ユーロ、計2566万1000ユーロ

ロレンツォ・ペッレグリーニ 獲得費用1000万ユーロ、代理人手数料316万5000ユーロ、計1316万5000ユーロ

ルカ・ペッレグリーニ 代理人手数料110万ユーロ

ペロッティ 獲得費用1200万ユーロ、代理人手数料60万ユーロ、計1260万ユーロ

ポンセ 獲得費用522万9000ユーロ、代理人手数料180万ユーロ、計702万9000ユーロ

ラドニッチ 獲得費用104万ユーロ、代理人手数料310万ユーロ、計414万ユーロ

リッカルディ 代理人手数料6万ユーロ

サントン 獲得費用950万ユーロ、代理人手数料50万ユーロ、計1000万ユーロ

シック 獲得費用1789万3000ユーロ、代理人手数料273万ユーロ、計2062万3000ユーロ

セック 代理人手数料100万ユーロ

ストロートマン 獲得費用2000万ユーロ、代理人手数料195万ユーロ、計2195万ユーロ

ザニオーロ 獲得費用450万ユーロ、代理人手数料120万ユーロ、計570万ユーロ

獲得費用合計2億2612万4000ユーロ、代理人手数料合計3593万3000ユーロ、計2億6151満7000ユーロ


上記のことからローマとの取引で最も笑顔になった代理人はミノ・ライオラさんで彼はルカ・ペッレグリーニの契約更新とクライフェルトのローマ移籍を手がけたおかげでローマ相手に500万ユーロを稼いだとのことです。



calcioefinanza.itによると2018年度の選手取引における純利益実績(risultato netto positivo)は+4590万ユーロを達成(2017年度は+7910万ユーロ)。選手取引によって生み出されたキャピタル・ゲインは6350万ユーロ(2017年度は9520万ユーロ)。選手取引によって生み出されたキャピタル・ロスは950万ユーロ(2017年度は30万ユーロ)。以下はlaroma24.itによるキャピタル・ゲインとキャピタル・ロスの詳細。

キャピタル・ゲイン取引(選手名、譲渡先、譲渡価格、帳簿価格、キャピタル・ゲインの順)

カラブレージ ボローニャ 20万ユーロ 13万6000ユーロ +6万4000ユーロ

ホセ・マチン ペスカーラ 80万ユーロ 7万ユーロ +73万ユーロ

マリオ・ルイ ナポリ 883万7000ユーロ 671万1000ユーロ +212万6000ユーロ

ナインゴラン インテル 3800万ユーロ 608万8000ユーロ +3191万2000ユーロ

パルミエリ チェルシー 1928万3000ユーロ 163万6000ユーロ +1764万7000ユーロ

スコルプスキ ボローニャ 900万ユーロ 49万4000ユーロ +850万6000ユーロ

トゥミネッロ アタランタ 500万ユーロ 51万2000ユーロ +448万8000ユーロ

ヴァンクール アンタルヤスポル 50万ユーロ 20万4000ユーロ +29万6000ユーロ

計 譲渡価格8162万ユーロ 帳簿価格1585万2000ユーロ キャピタル・ゲイン6576万ユーロ

このキャピタル・ゲインの計、6576万ユーロからたぶん税の関係(Rettifiche IAS per attualizzazione crediti vs. squadre di calcio oltre 12 mesi)で230万4000ユーロが引かれるそうです。よって17-18シーズンの選手の取引で生み出されたキャピタル・ゲインは

6346万4000ユーロ

となるとのことです。続いてキャピタル・ロスです。

キャピタル・ロス取引(選手名、譲渡先、譲渡価格、帳簿価格、キャピタル・ロスの順)

ドゥンビア スポルティングCP 308万8000ユーロ 542万2000ユーロ -233万4000ユーロ

ファラスコ アヴェッリーノ 9万ユーロ 11万ユーロ -20万ユーロ

イトゥルベ ティフアナ 383万ユーロ 727万7000ユーロ -344万7000ユーロ

モレノ レアル・ソシエダ 570万ユーロ 610万1000ユーロ -40万1000ユーロ

ズカノヴィッチ ジェノア 150万ユーロ 179万4000ユーロ -29万4000ユーロ

計 譲渡価格1420万8000ユーロ 帳簿価格2070万4000ユーロ キャピタル・ロス649万6000ユーロ

よって17-18シーズンの選手の取引で生み出されたキャピタル・ロスは

649万6000ユーロ

となるとのことです。



イタリア経済紙のIl Sole 24 Oreがローマの財務諸表を分析した所ローマの負債は2億1880万ユーロになったとのことです。以下それに関する日本語記事へのリンクです。

ローマ、負債額が280億円に達する

また上記の日本語記事では触れられていないけれどIl Sole 24 Oreの原文には

・ローマの負債の大部分は2015年2月12日のゴールドマン・サックス-ウニクレディトオペレーションによる融資に由来するもの。

・ローマを落ち着かせる為には新たな増資が必要だろう。

・リーグの登録は問題なし。FIGCは最も完全な会計を描写した連結財務諸表は考慮せず親会社の財務諸表のみを考慮する為。

・ローマはブランドと営業部門を分離しこれらを二つの新会社に授けることで親会社の財政を整えた。

といったようなことも書かれていました。

さらにcorrieregiallorossoによると財政上の負債は何億ユーロものお金が動く企業にとっては絶対的な生理学上の細部。例えばユーベの負債説明は3億ユーロを上回る。額は少し下がるがインテルやミラン、何年も優勝している国際的なクラブ達のほとんども同じことが言えるとみられているとのことです。

なので素人感覚ではあるけれど負債(借金)が増えたことはよろしいことではないけれど、この負債の増加によってチーム運営が大きく変わったり、ヨーロッパの大会に出れなくなったり、経営破綻したりといったようなことはないという認識で問題ないと思われます。



最後にクラブが設定している今季のリーグタイトル関連の賞金額も明らかになりました。

スクデット獲得と18-19シーズンのチャンピオンズ・リーグ出場権獲得(ストレートイン)の際は1780万ユーロの賞金、コッカルド獲得(コッパ・イタリア制覇)の際は400万ユーロの賞金が支払われるとのことです。


関連過去記事

ローマ、17-18上半期の財務諸表を公表する


コメント

このブログの人気の投稿

ローマ、セリエAへ怒りの声明

ルカクはローマ残留を希望、チェルシーからは扉を開く兆し

ローマ、緊急事態とインテルMFへの興味

ラツィオのイサクセン、とんでもない失言をしてしまう

ローマ、デ・ロッシ監督がユーヴェのキエーザ獲得をリクエスト

UEL Quarto di finale - andata ミラン 対 ローマ

ローマ、ユーヴェのキエーザは6月のアイデア以上のもの