セリエA第34節、ローマ対カリアリ

ローマは4-2-3-1の布陣でスタートしました。ウンデル投入後は彼が右WGとなり左WGにクライフェルトが入りました。チョリッチ投入後は彼がトレクワルティスタとなりペロッティが左WGになりました。カリアリは4-3-1-2の布陣でスタートしました。


得点シーンは5分、ローマの右のコーナー・キックから。キッカーのペッレグリーニがゴール前に放り込んだボールをマノラスが競り合いを制して頭に当てる。当たって宙に舞ったボールをファシオがヘディング・シュート。ローマが先制しました。続く8分、左サイドのコラロフから対角線上にいた右サイドのクライフェルトへロング・パスが通る。クライフェルトはドリブルからのカットインでペナルティ・アーク付近にいたパストーレへパス。パストーレはこのパスを左足でトラップし、右足のイン・サイドでシュート。これがゴール右下隅に決まってローマが追加点を奪いました。86分にはハーフウェイ・ライン辺りから左サイドのコラロフがペナルティ・エリア手前中央にいたクライフェルトへ鋭いパスを送る。クライフェルトのミドル・シュート。ミドル・シュートはバレッラにブロックされるもこぼれ球に反応したペロッティがシュート。クラーニョはこれを弾くも弾いた先にはコラロフが。弾かれたボールをコラロフがシュートしてローマが3点目を奪いました。

試合の感想

ローマ強し。ローマ強しなのです。こんなに余裕を持って見れた試合は物凄く久しぶりだった気がします。それもこれもファシオとパストーレのアルジェンティーニが早々と得点してくれたおかげなのです。この試合で私が一番注目していた選手が久しぶりの先発となったパストーレなのだけれど、今日の彼は素晴らしかったですね。もしこの試合を北川義隆さんが実況していたら興奮ぎみに「エル・フラコ(パストーレの愛称で北川さんが好んで使う呼び名)」と連呼したに違いないと思います。私はサッカーの経験がまったくないのだけれど、そんなど素人の私が見ても明らかに上手いと分かる、そして何より見ていて楽しいプレイを今日のパストーレはたくさんしてくれました。得点シーンの芸術的な左足のトラップからの右足のシュート、ペナルティ・エリア内で相手選手を抜いていったシーン、バーを叩いたダイレクト・シュートのあの撃ち方、思わず魅入ってしまいました。こういうプレイができる選手をファンタジスタというのでしょうね。私は昔から不遇の者を好きになる性癖で例えば物語ならば、主人公側よりも悪役を好きになったり、偶々みたスポーツ中継では負けてるほうを応援したり、サッカーなら全然活躍できなくて皆から「あいつはもうダメだ。夏にはさよならだね。」と言われるような選手を好きになります。そういう意味で私の今季のローマの大のお気に入りはシックとパストーレなのです。だから今日彼がこのように素晴らしい活躍を見せてくれたことがとても、とても嬉しいです。パストーレは放出候補と報じられているけれどこの活躍で風向きが変わると良いな。さて他の選手に話を変えると今日はコンディションが良かったのか戦術が良かったのか分からないけれど皆体が軽そうに見えました。エル・シャラウィは試合開始早々に相手選手を抜きさってペナルティ・エリアに侵入していたけれど、今季はあのよう場面で引っかかる印象が強いので驚いてしまいました。それからクライフェルトもヌルヌル？(適切な表現が分からないけれど調子の良い時の彼はヌルヌル？ニュルニュル？ウナギを触った時のようなすべるような感じ？の動きをする印象があります)してましたね。それからミランテも今日は出番が少なかったけれど一本ビッグ・セーブを見せてくれてゴールも守れて絵心もあるミランテは素敵だなと思いました。後は得点したファシオとコラロフの二人ですね。君たち点とリすぎでしょ！なんでDFなんかやってるのさ。ポジション間違えてるよと思いました。もう点が取れなくて困った時はファシオとコラロフの2トップにすれば良いと思います。ファシオなんて前線に置いといて彼の頭めがけて10本くらいクロスを放り込めば、1本くらい決めてくれる気がします。コラロフはあれですね。SBの癖にゴール前に詰めてくるなんて反則なのです。見ました？コラロフに点を決められた後の頭を抱えて呆然としたクラーニョ君の顔を。あんな顔されたからこっちまで悲しくなっちゃったのです。彼はローマ移籍の噂があるけれどもう来たくなくなっちゃったかもしれません。クラーニョ君をあんな顔にさせるなんてコラロフは見た目通りの極悪人ですね(笑)。そしてチョリッチ君のプレイしている姿を見れて嬉かったです。僅かな時間だったけれど彼に出番を与えてくれたラニエリさんに優しさを感じました。ラニエリさんは新たに女の子のお孫さんが誕生したそうなので父性みたいなものが溢れてしまったのかも。何にせよ素敵でした。あー、楽しかった。次もこんな試合を見せてね、ローマ。