マンチェスター・シティで話題のFFPとローマの話
ローマが過去大変お世話になり(詳しくはコチラ)、現在も毎年基準を満たすのに苦労しているfinancial fair play(FFP)について元ローマの選手であるジョゼップ・グアルディオラさん率いるマンチェスター・シティに対しUEFAは以下のリンク先の発表をしました。
Club Financial Control Body Adjudicatory Chamber decision on Manchester City Football Club
発表にはschumpeterさんのTwitterによると
ACは全証拠を検討の上、マンチェスター・シティにFFP規程の重大な違反があったことを認定した。当該違反は、クラブの会計及び2012年から2016年にかけてUEFAに提出したブレイクイーブンに関する情報において、スポンサーシップによる売上高を水増ししたことによりなされた。— schumpeter🍣 (@milanistaricky) February 15, 2020
ACはマンチェスター・シティに対して、今後の2シーズン(2020/21シーズン及び2021/22シーズン)におけるUEFAの大会からの追放、罰金€30Mの支払いを制裁として科した。— schumpeter🍣 (@milanistaricky) February 15, 2020
というようなことが書かれているそうです。ACが述べるように、マンチェスター・シティは本決定についてCASに上訴する権利を有している。したがって、UEFAはこの段階では本決定に関するコメントは差し控える。— schumpeter🍣 (@milanistaricky) February 15, 2020
そしてこの件に関して
ベン・メイブリーさんのTwitterによると
となりシティのCL出場停止処分の件について、詳しく知りたい方へ。— Ben Mabley(ベン・メイブリー) (@BenMabley) February 14, 2020
2018年11月の@JSports『Foot! MONDAY』にて詳しく紹介したが、その番組収録の為に私がリサーチして纏めた資料がまだパソコンに残っていたので共有します。
あくまでも自分用・制作用だったので日本語が雑なところもあると思います。
(2/2) pic.twitter.com/GGJ4CIBNiH
sakeさんのTwitterによると
となって時間がない人のための「シティは何の件で糾弾されているのか」 - We gotta put it out somehow, yeah, yeah https://t.co/VbRZnHmcxb— sake (@szakekovci) February 15, 2020
r4lxさんのTwitterによると
...そのためアンドレーアが明日突然持てる権限の全てを使ってJeepのスポンサー料を年額500Mユーロにしても、それでUEFAから処罰を受けることはない。ただUEFAの調査によりFFP上ではおそらく50M程度に修正されて計算されるだけの事である。既にPSGなどで発生している処理であり、目新しいものでもない。— r4lx (@r4lx_j1897) February 17, 2020
...①エティハド航空からとされていたスポンサー料80Mのうち70Mは実際はオーナーと強く関連する別の会社から支払われていた。— r4lx (@r4lx_j1897) February 17, 2020
②リークされて調査対象となっていたEメールの完全な交信履歴の提出をしなかったなど、UEFAの調査に対する協力拒否。
...ユベントスはFCAとの正式な契約でJeepをスポンサーとしており、FFP上の関連会社からの収益に該当することを最初から前提として運用して来ている。そのためロナウド獲得後で収入増がどうしても欲しい18/19シーズンにおいても、"最も簡単な打ち手"であるJeepのスポンサー料増額に動くことはなかった。— r4lx (@r4lx_j1897) February 17, 2020
となっているそうです。...ユベントスの経営陣はこれだけの慎重な姿勢でロナウド獲得後の状況にも立ち向かっているというのに、まるで意味の分からない指摘を目にしたことで文章が無駄に伸びてしまった。— r4lx (@r4lx_j1897) February 17, 2020
なにやらローマがお世話になった時よりも大事になっているようです。グアルディオラさんも大変そうです。
そんな感じで今注目されているFFPだけれどそれに関連する話として
La Gazzetta dello SportはUEFAはまもなく市場価値にそぐわない架空のキャピタル・ゲインに関して取り締まりを開始するとみられる。基本的な狙いはヨーロッパ全体で横行する現象を食い止めることにある。つまり選手のトレードに過度に頼ることを防ぐことにある。セリエAが5年間で記録したキャピタル・ゲインはおよそ2.7億ユーロでブンデス・リーガやラ・リーガをはるかに上回り、プレミア・リーグと同レベルだがプレミアリーグはセリエAのほぼ3倍のビジネスが行われている。2015年に共同保有が廃止された後もイタリアは選手を任意の価値を持つ人形としてトレードし続けた。核心となるのは実際のお金の支払いを伴わない過剰な評価額でのトレードだ。UEFAの取締りが開始されると必然的にイタリアのクラブに影響を及ぼすだろうと報じました。
これが実現されれば昨夏もFFPの基準を満たすべくキャピタル・ゲインを得ようと実質的にマノラスとディアワラ、ルカ・ペッレグリーニとスピナッツォーラのトレードを行ったローマは更にFFPの基準を満たすことが難しくなりそうな予感がします。
フリードキン・グループによる買収が噂されるローマだけれど、買収が実現してもFFPがある以上収入を大きく上回る支出はできず、ならばとフリードキンさんがローマの収入を増やそうと例えば自分の会社とローマ間で年間1億ユーロのスポンサー契約を結んだとしてもUEFAがこらこら、ローマにそんな価値はないでしょ。だからFFP上はスポンサー料を下方修正して適正価格で計算しておくねとなってしまうようです。
これではオーナーが代わるだけでローマのお財布事情は変わらないのかなと思ったのだけれど
La Gazzetta dello Sportによるとフリードキン・グループによるローマ買収は2月下旬から3月上旬に予定されている予備契約にサインが書き添えられ証券取引所で株式公開買い付けが開始される。すべてが正しい方向に進めば、オーナー変更はシーズンの終わりに行われる。そしてローマは合法以上の投資が新しいオーナーに認められる«voluntary agreement(自主協定)»に加入する初めてのイタリアのクラブになる可能性がある。つまり3年間で赤字は3000万ユーロを超えてはならない(インフラと下部組織への投資は別にして)が«voluntary agreement(自主協定)»はさらに多くの投資を可能にするのだとのことです。
«voluntary agreement(自主協定)»については以下のリンク先をご覧下さい。
ミランを翻弄する中国マネー。 カオスすぎる状況に全員がお手上げ
ふむふむ、この«voluntary agreement(自主協定)»が認められればローマのお財布事情が変わるかもしれないと。ローマのお財布事情変わるといいな。
終わりです。
2020年4月2日追記
マンチェスター・シティに下された処分についての予測と解説記事【ビジネスとしての欧州サッカー】の番外編(全3回)へのリンク
UEFAはなぜ、利益にならない「マンC裁定」を決断したのか
マンCのなぜ。「資本のグローバル化」がもたらした副作用
vsUEFA、マンチェスター・シティはCLから姿を消すのか?
【ビジネスとしての欧州サッカー】の記事へのリンク
【サッカー】爆発的な収益、欧州メガクラブのビジネスモデル
ユヴェントスのビジネス戦略、なぜC・ロナウドだったのか
【サッカー】グローバル市場で勝ち残る16クラブとその条件
【サッカー】R・マドリーとマンCの差はどこにあるのか
返信削除このブログの良いブログたくさんの情報。
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