なぜフォンセカさんはビッグ・マッチで苦戦するのか? 前編

 

先日ローマはラツィオとのデルビーで完敗しました。私はローマが絶対勝てると思ってデルビー特集みたいな記事(詳しくはこちら)を書いて一人で盛り上がっていたのに、完敗をして物凄く惨めな思いをしました。それはさておき、フォンセカさんはビッグ・マッチで苦戦すると言われています。今季ローマは上位6チームとの6試合で3分3敗18失点と勝利がなく、La Gazzetta dello Sportに言わせれば

「弱者に強く、強者に並外れて弱い」

が今季のローマの特徴だそうです。なお上位6チームの失点の内訳は

対ユヴェントゥス…2失点

対ミラン…3失点

対ナポリ…4失点

対アタランタ…4失点

対インテル…2失点

対ラツィオ…3失点

となっています。

今回はなぜフォンセカさんはビッグ・マッチで苦戦するのかについて考えてみたいと思います。

私が思いついた仮説は二つです。


・仮説1 選手のクオリティ不足

仮説の一つは単純にローマの選手のクオリティが不足しているからではないかというものです。カルチョはチーム・スポーツではあるけれど選手個々のクオリティが高いほど有利になる(強くなる)面は否めないと思います。質の高いものにはお金がかかるというのが一般常識だと思うのでチームの選手のクオリティを図るひとつの目安は年俸総額になるのではないかと思います。

La Gazzetta dello Sportによると20-21の各チームの年俸総額は

Juventus: 236 milioni ;(前年比およそ19.7%減)

Inter: 149 milioni;(前年比およそ7.1%増)

Roma: 112 milioni;(前年比およそ10.4%減)

Napoli: 105 milioni;(前年比およそ1.9%増)

Milan: 90 milioni;(前年比およそ21.7%減)

Lazio: 83 milioni;(前年比およそ15.2%増)

Fiorentina: 55 milioni;(前年比およそ10%増)

Torino: 51 milioni;(前年比およそ5.5%減)

Cagliari: 46 milioni;(前年比およそ4.5%増)

Bologna: 43 milioni;(前年比およそ4.8%増)

Atalanta: 42,6 milioni;(前年比およそ18.3%増)

Genoa: 41 milioni;(前年比およそ2.5%増)

Sassuolo: 35 milioni;(前年比変わらず)

Parma: 34 milioni;(前年比およそ9.6%増)

Sampdoria: 34 milioni;(前年比およそ5.5%減)

Benevento: 32 milioni;

Udinese: 31 milioni;(前年比およそ3.3%増)

Verona: 24 milioni;(前年比およそ4%減)

Crotone: 23 milioni;

Spezia: 22 milioni.


となっており、これを試しに現在の順位表に照らし合わせてみます。

17節終了時の順位表 ※ユヴェントゥスとナポリ、アタランタとウディネーゼは1試合未消化

年俸総額上位6チームのうち5チームが順位表の上でも6位以内に入っているのでチームの強さと選手のクオリティは関係があると見てよさそうです。

ただローマの年俸総額はセリエAで3番目に高いので、選手のクオリティが上位6チームに比べ、大きく不足しているかといわれると疑問符が付きそうです。仮にローマの選手のクオリティが不足していたとしても、ローマは大きな赤字で年俸総額の削減に動いているといわれており、ローマの新GMであるチアゴ・ピントさんもローマのプロジェクトは中長期的なもので、経済的な持続可能性が不可欠といったようなことを仰っているので一気に今以上のお金をかけて選手のクオリティをあげることは現実的ではないと思います。

つまり仮説1についての私の考えをまとめると

ローマの年俸総額の高さを踏まえると選手のクオリティが上位6チームに比べ、大きく不足しているとは考えにくく、お金がないので仮説1が正しくても困る!

となりました。


もうひとつの仮説は後編で。


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