ローマ、17-18シーズンレビュー その二


今季公式戦に出場したローマの選手達を振り返ってみたいと思います、前回のGKとDF編の続きです。なお記憶を頼りに書いたので勘違いが含まれている可能性があります。あらかじめ御了承ください。

CENTROCAMPISTI

4.ラジャ・ナインゴラン(Radja Nainggolan)
今季も攻守に活躍、ポジションもスリーセンターの一角、トップ下、WGと様々な場所で起用されました。今季は昨季に比べ得点数は減ったもののアシスト数は増加、ローマホームのローマデルビーでは貴重な決勝点を記録してくれました。またミラン戦では前歯を失いながらもプレイを続けたことが強く記憶に残っています。ワールドカップの代表メンバーから外れたことが悲しいです。ピッチ外ではトレードマークだったモヒカンを剃り落としたこととお正月の飲酒喫煙問題が印象に残っています。

6.ケビン・ストロートマン(Kevin Strootman)
今季も中盤のバランサーとして活躍してくれました。決定機でシュートがポストに当たって入らないという不運が多かったように思います。昨季に続き今季も大きな怪我無くシーズンを終えたことが何よりも嬉しいです。練習から手を抜かない熱い選手であり、ワンシーズンに一回は練習でチームメイトと口論になっているような気がします。

7.ロレンツォ・ペッレグリーニ(Lorenzo Pellegrini)
サッスオーロから買い戻しOPでローマに復帰。若さ故かパフォーマンスにムラがあったように思います。けれどプロからの評価は高くメルカートの人気銘柄の一人でポテンシャルの高さは間違いないと思います。是非デ・ロッシ、フロレンツィの後を引き継いでほしいです。ピッチ外では先日恋人のヴェロニカ・マルティネッリさんと結婚式を挙げました。

16.ダニエレ・デ・ロッシ(Daniele De Rossi)
早い物でキャリアの最終盤に差し掛かってきたけれど、昨シーズンに続き今季もディ・フランチェスコさんの下でまだまだ健在であることを示してくれました。本人も現在のパフォーマンスに満足しており、以前は現役引退を考えたこともあったけれど今は考えていないという趣旨のコメントをしました。彼がローマでプレイしてる間に絶対スクデットを獲得して欲しいです。

21.マキシム・ゴナロン(Maxime Gonalons)
今季リヨンから加入。CBもできる守備的MFと報じられていたので潰し屋タイプなのかなと思っていたけれど守備よりもビルドアップ能力に長けているように思いました。失点に繋がるようなミス等もあり、メディアからは放出候補に挙げられていますが、ゴナロンの代理人は彼はローマで満足しており、ローマを去るつもりはないという趣旨のコメントをたびたびしています。ローマを好いてくれているようで嬉しいです。

24.アレッサンドロ・フロレンツィ(Alessandro Florenzi)
シーズン前はディ・フランチェスコさんは中盤や前線で彼の起用を考えていると報じられていました。けれどカルスドルプの怪我等で今季も右SBの一番手になりました。来季はどのポジションが主戦場になるのか楽しみだけれど契約更新に応じてくれるのか気になるところです。

30.ジェルソン(Gerson)
ディ・フランチェスコさんの下で出場機会が大幅に増え、ヴィオラ戦では圧巻のドッピエッタを決めてくれました。元々は攻撃的な選手だけれど、ディ・フランチェスコさんの投入の仕方を見ていると守備への献身性が買われているように思います。彼のインタビューを読んでからますます大好きになりました。

ATTACCANTI

8.ディエゴ・ペロッティ(Diego Perotti)
左WGのレギュラー格として活躍してくれました。一番印象に残っていることはローマに来て以来初めてPKを外したこと。それも二度。一度目は足を負傷した状態で蹴ったので仕方ないけれど2度目は完全に読まれてしまいました。けれどその後のスタディオ・オリンピコでのチャンピオンズ・リーグリヴァプール戦でのPKでは蹴り方を以前と変えてきっちり決めてくれて格好良かったです。ピッチ外では飼ってるワンちゃんがいなくなり、SNSで皆に見つけてくれるようお願いし、その後無事見つかるという騒動がありました。

9.エディン・ジェコ(Edin Džeko)
ディ・フランチェスコさんの下、絶対的エースとして活躍してくれました。一時期リーグ戦で点が取れないときがあったけれど、CLでは大事な場面で点を決めてくれた印象が強いです。得点源としてはもちろんのことポストプレイヤーとして戦術的キーマンになっていたように思います。

14.パトリック・シック(Patrik Schick)
今季サンプドリアから加入。ボーナスも含めるとガブリエル・バティストゥータさんを上回るローマ史上最高額での入団となりました。元々ローマは左WGを探していましたが、急遽、CFタイプの彼を左WG候補として獲得し、モンチさんをして求めていたタイプの選手ではなかったけれど、獲得できるチャンスを逃がすわけにはいかなかったと言わしめました。しかし心臓の問題でデビューが遅れ、その後の怪我もあり、シーズン半ばくらいから試合に出始めたように思います。中々リーグ戦で得点が奪えなかったけれどシーズンの終盤にようやく点も取れ始め、チームにもフィットしてきました。来シーズンにかかる期待が大きいです。チームメイトの中ではジェコが一番の仲良し。

17.ジェンギズ・ウンデル(Cengiz Ünder)
今季マンチェスター・シティとの争いを制し、バシャクシェヒルFKからローマに加入。当初は左WGの期待の若手選手の一人に過ぎなかったけれど、ユーベ戦の敗戦から続いていた低迷期を脱出するきっかけとなったエラス・ヴェローナ戦の得点を皮切りに得点を量産し一気にブレイクしました。本人曰く活躍できだした理由はイタリア語が理解できだしたことが大きかったとのこと。またチームメイトからはジェンゴの愛称で呼ばれているそうです。

23.グレゴワール・デフレル(Grégoire Defrel)
ディ・フランチェスコさんの後を追う形でサッスオーロから加入。教え子ということで直フィットしてくれると期待していたけれど、中々フィットせずそうこうしてるうちに怪我で離脱してしまいました。しばらくしてやっと復帰し途中出場でいい動きを見せてくれだしたなと喜んでいたら再び怪我でシーズンを終えることになりました。彼にとって残念なシーズンとなったけれど来シーズンの活躍に期待したいです。

48.ミルコ・アントヌッチ(Mirko Antonucci)
ローマの下部組織出身でサンプドリア戦でトップチームデビューを果たし、デビュー戦で貴重な勝点1に繋がるアシストを記録しました。またCLリヴァプール戦でヨーロッパデビューも果たしました。将来どのように成長するのか楽しみです。ピッチ外ではトップチームデビューの記念にタトゥーを入れたことが印象に残っています。

92.ステファン・エル・シャラウィ(Stephan El Shaarwy)
今季はチーム事情から主戦場の左WGだけでなく右WGとしての出場機会も多かったです。シーズンの中ごろまでは点が取れていたけれどシーズン終盤になるにつれて点が取れなくなったような気がします。チャンスには多く絡めていると思うので来シーズンはムラ無く得点してくれることを期待したいです。

ALLENATORE

エウゼビオ・ディ・フランチェスコ(Eusebio Di Francesco)
今季指揮官としてローマに帰還しました。ゼマンサッカーの信奉者ということで3点取られても4点取るサッカーをするのかなと思っていたら、攻撃よりも失点の少なさが目立ちチームになりびっくりした覚えがあります。チームの低迷期に合わせてこだわっていた4-3-3にも変化を加え終わってみれば複数のシステムを使いこなす柔軟性も見せてくれました。中でもオリンピコでのチャンピオンズリーグのバルセロナ戦で、いきなりスリーバックを導入しチームを準決勝に導いたことが強く印象に残っています。チームの低迷時期には解任の危機にもさらされたけれど、終わってみればリーグ戦三位、チャンピオンズリーグで準決勝進出と素晴らしい結果を出してくれました。

番外編


Direttore Sportivo

モンチ(Monchi)
おそらく世界で最も有名なスポーツ・ダイレクターの一人だと思われるモンチさんがローマに来て初めてのメルカートを迎えるということで期待が膨らみました。モンチさんの仕事はFFPの影響で売却から始まりました。ローマはスーパーマーケットではないと発言後、パレデス、リュディガー、マリオ・ルイと次々に売却し、とりわけリュディガーがチームを去ることはあり得ないと述べたにもかかわらず、マノラスの移籍破談の影響でリュディガーを売却するはめになり、SNS上等で非難の的になった覚えがあります。獲得に目を向けると、あまり噂の無かった選手をいきなり獲得するというパターンが目立った印象があります。コラロフやゴナロンは噂がでた3日後くらいには獲得が決定したり、モレノに至っては噂すら出てなかったように思います。まだイタリアに来たばかり、もともとの期待度が高かったということもあって期待通りの仕事をしてくれたかといわれると微妙なような気がするけれど、2度目の夏のメルカートでは世界に名を轟かせたその手腕を存分に発揮して欲しいです。


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